執筆者
ぶん皮膚科クリニック
院長文 省太
資格
- 日本皮膚科学会認定専門医・指導医
- 難病指定医
- 臨床検査技師
所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本皮膚悪性腫瘍学会
- 日本小児皮膚科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本皮膚病理組織学会
汗管腫(かんかんしゅ)とは、エクリン汗腺と呼ばれる皮膚の汗腺から発生する良性腫瘍です。小さな半球状の肌色〜やや黄味がかったしこりとして現れ、主に目の周囲、特に下まぶたのあたりに多くみられます。
大きさは1〜3mmほどで、やや光沢があり、表面は滑らかです。通常は数が増えることはなく、痛みやかゆみを伴いません。稗粒腫や脂腺増殖症など他の皮膚疾患と混同されることがあるため、正確な診断が重要です。
汗管腫の原因ははっきりとはわかっていませんが、エクリン汗腺が過剰に増殖することによって発生すると考えられています。遺伝的な要素やホルモンバランスの変化が関与していることもあります。
また、汗をかきやすい時期に目立つことがあり、体質や皮膚環境の影響も考えられています。
20〜40代の女性に多く、自然に消えることはほとんどありません。
汗管腫は初期には小さな粒状のしこりが1つあるだけのこともありますが、時間の経過とともに徐々に数が増えたり、やや大きくなったりすることがあります。
外見上は目立つ場合があり、メイクで隠しにくいため美容的な悩みにつながるケースも少なくありません。一般的に炎症やかゆみなどの症状は伴いませんが、まれにこすれや化粧品の刺激で赤みを伴うこともあります。
汗管腫の診断は、医師による視診・触診が中心です。稀に確定診断が難しい場合や他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合には、組織検査を行うこともあります。
また、症状が似ている疾患として次のものが挙げられます。
これらと鑑別して適切な治療方針を決めていきます。
汗管腫は健康上の問題を起こすことはありませんが、美容的な観点から治療を希望される方も多くいらっしゃいます。
局所麻酔を行い、炭酸ガスレーザーで汗管腫を蒸散・除去します。当院では一度に多くを除去するのではなく、回数を分けながら数個ずつ炭酸ガスレーザーで丁寧に除去します。
汗管腫は、一度治療しても再発する可能性が高い皮膚疾患です。特に体質的にできやすい方の場合、時間の経過とともに再発することがあります。
また、一度にすべてを取り除くことが難しい場合も多く、数回にわたる治療が必要になることがあります。治療を繰り返すことで色素沈着や小さな瘢痕が残る場合もあるため、治療後のスキンケアも重要です。
はい、良性のため放置しても健康上の問題はありません。ただし、自然に消えることはなく、美容的に気になる場合は治療をご検討ください。
いずれも目元にできやすい小さなしこりですが、原因や構造が異なります。汗管腫は汗腺由来の腫瘍で、より深部にあり、数が増えやすい傾向があります。
はい、治療後に再発することがあります。完全に取り除くことが難しいため、定期的な治療が必要な場合もあります。
明確な予防法はありませんが、紫外線対策や適切なスキンケアにより肌への刺激を減らすことで悪化を防ぐ可能性があります。